「うちの子、文章題になると急に手が止まる…」
中学受験をしていると、この悩みは非常によくあります。
計算問題はできる。図形もそこそこできる。しかし、文章題になると、
- 式が立てられない
- 何をしたらいいかわからない
- 問題文を読んで止まる
- 解説を読んでも理解できない
という状態になってしまうのです。
ですが、安心してください。
文章題が苦手な子の多くは、「才能がない」のではありません。
単純に、
- 整理の仕方を知らない
- 用語を理解していない
- 読み慣れていない
- 復習量が不足している
だけのケースが非常に多いです。
この記事では、中学受験指導の現場でよくある「式が立てられない原因」と、その具体的な解決法を解説します。
なぜ中学受験の文章題で式が立てられないのか?

「考える」のではなく「悩んでいる」だけになっている
文章題が苦手な子の多くは、問題を見たあとに「頭の中だけ」で何とかしようとします。
しかし、中学受験の文章題は情報量が多いため、頭の中だけで整理するのはかなり難しいです。
特に、
- 割合
- 速さ
- 濃度
- 売買損益
- つるかめ算
- 和差算
などは、条件が複雑になります。
このときに必要なのは、「頭の中で考え続けること」ではありません。
まずは、
- 線分図
- 面積図
- 表
などを書いて、情報を整理することです。
何も書かずに悩み続けても、整理されません。
それは「考えている」のではなく、「意味なく悩んでいる状態」になっていることが多いのです。
式を覚えても文章題は解けない
「つるかめ算の公式を覚えたのに解けません」
これは非常によくあります。
なぜなら、文章題は「公式暗記ゲーム」ではないからです。
大切なのは、
- 条件整理
- 図で関係を把握
- 必要な情報を抜き出す
- 式にする
という流れです。
つまり、式は最後に出てくるものです。
いきなり式を書こうとすると失敗します。
問題文を読むこと自体に疲れている
文章題が苦手な子の中には、「算数が苦手」というより、「文章を読むこと自体が苦手」なケースがあります。
- 長い文章を見ると嫌になる
- 途中で読み飛ばす
- 条件を忘れる
- 何を聞かれているかわからない
という状態です。
この場合、単純に算数だけの問題ではありません。
読解力や、文章を読む体力そのものが不足している可能性があります。
式を立てるために最初にやるべきこと

線分図・面積図・表を書いて整理する
文章題が苦手なら、まずやるべきことは「作図」です。
線分図が向いている問題
- 和差算
- 売買損益
- 比
- 年齢算
- 仕事算・ニュートン算
面積図が向いている問題
- つるかめ算
表が向いている問題
- つるかめ算
- いもづる算
簡単な問題以外はいきなり式を立てない
上位校に合格する子でも、図は普通に描いています。
「図を書く=レベルが低い」ではありません。
むしろ、難しい問題ほど整理が必要です。
図を書くことで、
- 条件整理
- ミス防止
- 着眼点発見
がしやすくなります。
図を書く習慣がない子は伸び悩みやすい
文章題が苦手な子のノートを見ると、
- 式しか書いていない
- 図がない
- メモがない
- 条件整理がない
ことがよくあります。
これでは、問題の構造を理解しにくいです。
中学受験の算数は、「情報整理の科目」でもあります。
公式・用語を覚えていないと式は立てられない
速さの問題は「み・は・じ」だけでは解けない
速さの問題では、
- 秒速
- 分速
- 時速
- 道のり
- 出会い
- 追いつき
などの意味を理解している必要があります。
「み・は・じ」を覚えただけでは対応できません。
割合・濃度・売買損益は“日本語”を覚える
たとえば売買損益なら、
- 原価
- 定価
- 売値
- 利益
- 利益率
などの意味を理解している必要があります。
濃度なら、
- 食塩の重さ
- 食塩水の重さ
- 濃さ
の意味を区別できなければいけません。
つまり、文章題は「日本語の理解」がかなり重要なのです。
用語がわからないと図も描けない
「食塩水とは何か」
「割合とは何か」
これがわからないと、図そのものが描けません。
式以前の問題です。
文章題が苦手な場合は、基礎用語の理解不足を疑いましょう。
文章題ができる子は「復習量」が違う

初見で解けないのは普通
難関校を目指している子でも、最初から文章題をスラスラ解けるわけではありません。
むしろ、最初はみんな苦戦します。
ですから、
「うちの子にはセンスがない」
と考える必要はありません。
復習すると“着眼点”が見えるようになる
文章題は、復習によって強くなる分野です。
復習すると、
- 「ここを見るのか」
- 「この条件が大事なのか」
- 「こう整理するのか」
という着眼点が身につきます。
すると、似た問題に対応できるようになります。
おすすめの復習方法
おすすめは以下です。
- 翌日に解き直す
- 図だけ書く練習をする
- 解説をノートに写す
- 問題文を音読する
特に、「解説を読んで終わり」にしないことが大切です。
実は「国語力不足」で解けないケースも多い
何を問われているかわかっていない
文章題では、
- 合計を求めるのか
- 差を求めるのか
- 人数を求めるのか
など、「何を聞かれているか」を理解する必要があります。
しかし、国語が苦手な子は、ここで混乱します。
小説より説明文を優先したほうがいい
読解力不足が原因の場合、小説よりも説明文を優先したほうがよいケースがあります。
説明文では、
- 接続詞
- 因果関係
- 条件整理
を追う練習ができるからです。
これは算数の文章題とも相性が良いです。
国語力が上がると算数の文章題も伸びる
実際、
- 読み飛ばしが減る
- 条件整理が上手くなる
- 問われていることが見える
ようになります。
算数だけをやっていても伸びない場合、国語力を鍛えると改善することがあります。
親がやってはいけないNG行動
「なんでできないの?」と言ってしまう
子ども自身も困っています。
しかし、「整理の仕方」がわからないため、止まっているのです。
責めるより、
- 図を書こう
- 条件を整理しよう
と声をかけるほうが効果的です。
文章題が苦手なら塾・家庭教師を利用するのも有効
文章題は“解き方”より“整理の仕方”が重要
文章題が苦手な子は、「式」ではなく、
- 図の描き方
- 条件整理
- 着眼点
を教わる必要があります。
個別指導が向いている子の特徴
以下に当てはまるなら、個別指導や家庭教師が向いています。
- 質問できない
- 読み飛ばしが多い
- 図を書く習慣がない
- 解説を読んでも理解できない
- 何がわからないかわからない
家庭教師なら「どこで止まっているか」を見つけやすい
実際には、
- 国語力不足
- 用語理解不足
- 復習不足
- 作図不足
など、原因は子どもによって違います。
家庭教師や個別指導なら、「どこで止まっているか」を細かく分析しやすいです。
もし親子だけで改善が難しい場合は、塾や家庭教師を利用するのも有効な選択肢です。
まとめ|文章題で式が立てられないのは“才能不足”ではない
文章題で式が立てられない子の多くは、
- 図を書いていない
- 用語を理解していない
- 復習不足
- 読解力不足
などが原因です。
逆に言えば、
- 線分図・面積図・表を書く
- 用語を覚える
- 復習する
- 国語力を鍛える
ことで改善できる可能性は十分あります。
「式が立てられない」のではありません。
「整理方法を知らない」だけのケースは非常に多いのです。
まずは、頭の中だけで考えるのをやめ、手を動かして整理する習慣をつけていきましょう。
