日影曲線とは?中学受験でよく出るポイントをやさしく解説
日影曲線は「影の先端をなぞったあと」
「日影曲線」とは、かんたんに言うと、太陽の光によってできた「影の先端」が、時間とともに動いたあとを線であらわしたものです。
たとえば、地面にまっすぐな棒を立てたとしましょう。朝、昼、夕方と時間が進むと、影の長さや向きが少しずつ変わりますよね。
このとき、一番はしっこの部分(先端)の動きをつなげていくと、線ができます。それが「日影曲線」です。
影の先端は西から東へ動く
ふだん私たちは、「太陽は東からのぼって西にしずむ」と習います。
しかし、影の動きはそれとは反対の方向になります。
実は、影は朝から夕方にかけて「西から東」へと動いていきます。これは、太陽の高さや向きが時間とともに変わることで、棒の影の方向が変わっていくためです。
つまり、日影曲線を作るときは、影の先端が「西→東」に進むことを意識すると、問題が解きやすくなりますよ!
日影曲線が「北」にできる理由とは?
では、日影曲線はどこにできるのでしょうか?
答えは「北側」です。
なぜなら、日本では太陽はいつも南の空を通るからです。太陽が南の空にあるということは、太陽の光は南から北に向かってやってくることになります。
だから、棒を地面に立てると、影はいつも「北側」にできるのです。つまり、日影曲線も、棒の「北側」に描かれるというわけです。
これもよく出るポイントなので、「日影曲線は北にできる」とセットで覚えておきましょう!
日影曲線の3つのパターンを覚えよう(夏至・冬至・春分秋分)
日影曲線は、季節によって形が変わるのが大きな特徴です。覚えるのはたったの3パターンだけ!
それぞれのちがいをしっかりおさえておけば、中学受験の問題もスラスラ解けますよ。
① 夏至の日影曲線の特徴
夏至(げし)は、一年の中で太陽がいちばん高くのぼる日(6月ごろ)です。
この日の日影曲線には、次の2つの特徴があります。
南よりにもにも影ができる
ふつう、影は北側にできますが、夏至の日は、朝と夕方の影が少しだけ東・西よりも「南より」にもできることがあります。
これは、太陽が北寄りの東からのぼり、北寄りの西にしずむからです。
つまり、夏至の日影曲線は、全体的に北よりだけど、はじの部分が少し南に食い込むような形になるのがポイントです。
南中時の影がいちばん短い
「南中(なんちゅう)」とは、太陽が真南にいちすること。
夏至の南中は太陽がものすごく高いので、影がとても短くなります。
南中したときの影は、夏至が一番短くなります。
② 冬至の日影曲線の特徴
冬至(とうじ)は、太陽がいちばん低くなる日(12月ごろ)です。
この日の日影曲線の特徴は、南中時の影がいちばん長いということです。
太陽の高さが低いので、影が長くのびるからです。
この「長い影」が冬至のいちばんの特徴です。覚えておきましょう!
③ 春分・秋分の日影曲線の特徴
春分(しゅんぶん)と秋分(しゅうぶん)は、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です(3月ごろと9月ごろ)。
この2つは、日影曲線の形がとてもわかりやすいです。それは、 東西の線に平行になるということです。
「なんで?」という疑問がわきますが、それについて受験で問われることはないでしょうから、無理やり覚えるといいです。
図を見て意味がわかればカンタンに覚えられる
日影曲線でおぼえるのは、「夏至・冬至・春分秋分」の3つのパターンだけ。
それぞれの特徴がハッキリしているので、いったん理解すればすぐに答えられる問題が多いのです。
日影曲線の問題では、図がセットで出てくることが多いです。たとえば、「どの日の曲線かを選びなさい」「南中時の影の長さを比べなさい」などの問題です。
こうした問題は、図の見方とパターンさえわかっていれば、すぐに正解できます!図といっしょに覚えることで、どんな問題がきてもあせらずに答えられるようになりますよ。