【理科】振り子の周期の解き方をわかりやすく解説!

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振り子とは?中学受験でよく出る基本事項を確認しよう

振り子は、中学受験の理科でよく出題される単元のひとつです。「周期」「長さ」「ふり幅」「重さ」など、さまざまな条件の中で何が振り子の動きに関係するのかを見分ける力が求められます。
まずは、振り子の基本的な構造と、「振り子の長さ」がどこからどこまでを指すのかを確認しましょう。


振り子の基本構造|糸の先におもりがついたもの

振り子とは、1本の糸や棒の先におもりをつけて、左右にゆらゆらと揺れるしくみのことです。振り子の代表的な例として、時計の振り子(振り子時計)や理科実験に使う「単振り子」があります。

振り子は、一定のリズムで左右に往復するため、「時間をはかる道具」としても使われてきました。中学受験の問題でも、よくこの“一定のリズム=周期”に関する計算や考察が出題されます。


「振り子の長さ」はどこからどこまで?|糸の長さ+おもりの中心まで

「振り子の長さ」は、単に糸の長さだけだと思っていませんか?
実は中学受験では、ここをひっかけポイントとして出題することがあります。

振り子の長さ = 振り子を吊るしている点から、おもりの中心までの長さ

つまり、糸の長さに加えて、「おもりの真ん中までの距離」も含めて考えます。たとえば、おもりが球体のような形をしている場合は、その半径分を足すことになります。

おもりが小さければ気にしなくていい問題もありますが、「おもりの直径が〇cm」などと問題に書いてあるときは注意が必要です。

振り子の周期とは?|1往復する時間をあらわす

「周期(しゅうき)」という言葉は、理科でよく出てくる重要語句です。特に振り子の問題では、この周期を正しく理解していないと、計算ミスやひっかけに引っかかってしまいます。

ここでは、「周期とは何か」「どういう動きが1周期なのか」をしっかり確認しましょう。


周期の定義と単位(秒)

周期とは、ある動きが1回くり返されるのにかかる時間のことです。

振り子の場合、「1往復にかかる時間」が周期になります。

たとえば、振り子が右にはなれていた位置からスタートして、左に行き、また右に戻ってくるまでの時間です。


🔍 例:周期が2秒の振り子
→ 2秒で1往復する。
→ 10秒たつと5回往復している。

振り子が「1往復する」とはどういうこと?

振り子が動く様子をイメージしてみましょう。

  1. まず、振り子を右側の位置(A点)から手をはなします。
  2. 振り子は重力で左側(C点)まで振れていきます。
  3. 左側でいったん止まり、また右側(A点)に戻ってきます。

この「右→左→右」の動きが1往復(1周期)です。


📝 よくあるまちがい
「振れた回数=周期の回数」と思ってしまうこと。

2秒間で振れたのが10回なら、周期は5回(=10÷2)です。
片道だけを数えてしまうと、実際の周期の回数より多く数えてしまうので注意!


まとめ

  • 周期=1往復にかかる時間(秒)
  • 「右→左→右」や「左→右→左」が1周期

振り子の周期に影響するのは「長さ」だけ!

振り子の動きに関して、「重さが重いほうがゆっくり動くのでは?」「ふり幅が大きいほうが時間がかかるのでは?」と考えたくなりますが、それは間違いです。

入試ではここをねらって、ひっかけ問題が出ることがあります。まずは、振り子の周期に関係しないものから確認しましょう。


重さやふり幅を変えても周期は変わらない

振り子の周期に関係があるのは「長さ」だけです。
「重さ」や「ふり幅」を変えても、周期には関係しません


📌 たとえば…

  • おもりの重さを100gから200gにしても、周期は変わりません。
  • ふり幅を10cmから20cmにしても、周期は同じです。

ふり幅が大きいと「速さ」は変わるけど「周期」は変わらない理由

「でも、ふり幅を大きくしたら速く動いてる気がする…」という疑問をもつ人もいます。

これは正しい観察です。実は、ふり幅が大きくなると、振り子の動く「道のり」が長くなるため、そのぶん速く動くようになります。


📝 しかしここで大切なのは…

✅ 道のりは長くなるが、それに合わせてスピードも速くなる
→ 結果として、1往復にかかる時間(周期)は変わらない


図でイメージするとこうなります:

  • 小さいふり幅:短い道のり × ゆっくりな速さ
  • 大きいふり幅:長い道のり × はやい速さ
    → 時間(周期)はどちらも同じ!

中学受験で問われるポイントはここ!

中学入試では、「どれが周期に影響するか?」を見きわめる正しい知識と判断力が問われます。よく出るパターンは以下の通りです:


🔍 よくある問題例

Q. 振り子の周期を2倍にしたい。どのようにすればよいか?
→ 答え:振り子の長さを4倍(2×2)にする


🧠 覚えておきたいポイント

  • 重さを変えても周期は変わらない → ×
  • ふり幅を2倍にしても周期は変わらない → ○
  • 長さを4倍(2×2)にすると周期は2倍になる → ○
  • 周期を3倍にしたいなら、長さを9倍(3×3)に → ○

✅【チェックリスト】入試でよく出る振り子のポイント

  • 周期に影響を与えるのは「長さ」だけ!
  • 重さやふり幅を変えても周期は変わらない
  • ふり幅が大きいと速さは速くなるが、周期は一定

振り子の位置と速さ

振り子の問題では、「どの位置で速く動くか」といった運動とエネルギーの関係もよく出題されます。
ここでは、振り子の動きの中で特に押さえておくべき3つの位置について学びましょう。


A:はなした位置、B:最も低い点、C:逆側で止まる位置

振り子が左右にゆれるとき、次の3つの位置をよく使います。

  • A:最初にはなした位置(振り子が一番右または左にある)
  • B:振り子がまっすぐ下に来たとき(最も低い位置)
  • C:Aとは反対側に一瞬止まる位置(振り子が逆側まで振れたところ)

🔄 振り子の動きの流れは、A → B → C → B → A… とくり返されます。


最も速いのはB、AとCは同じ高さ

振り子の動く速さは、位置によって変わります。

位置動きの特徴速さ高さ
Aはなした瞬間(スタート)速さゼロ一番高い
B一番下に来たとき一番速い一番低い
C逆側で止まる瞬間速さゼロ一番高い

最も速くなるのは、いちばん下のBの位置!

これは、重力によるエネルギーの変化で説明できます。高い位置(AやC)ではエネルギーが「位置エネルギー」としてたまり、それが動き始めると「運動エネルギー」に変わり、一番低いBで最大の速さになります。


📝 覚えておくべきセット

  • AとCは同じ高さ、止まる位置(速さゼロ)
  • Bは一番速く動く、いちばん低い位置

入試ではこの「位置と速さ」の関係が問われる!

中学受験では、この**「速さが最大になるのはどこか」**という問題がよく出されます。


🔍 よくある出題例(○×クイズ)

  • Q1. Aでは速さが最大である。→ ×
  • Q2. 振り子がBに来たとき、最も速く動いている。→
  • Q3. AとCでは、振り子の高さが同じで、速さはゼロである。→

🖼️【図解】振り子の動きと速さの関係(A・B・C)


ここが重要!

  • AとCは高さが同じ → 振り子が「止まる位置」
  • Bは振り子が「最も速くなる」場所
  • 入試では「どの位置で速さが最大?」といったイメージ力が問われる

釘を打つと周期が変わる?|振り子の応用問題

振り子の応用問題としてよく出題されるのが、「途中に釘(くぎ)を打って、振り子の長さが変わるパターン」です。
これは基本的な知識(振り子の長さが周期に関係する)を使って、変化に対応できるかどうかを見る問題です。


釘を使って振り子の長さを途中で変える仕組み

以下のような状況をイメージしてください。

  1. 振り子の糸を固定してつるす(通常通り)。
  2. 糸の途中に釘を打っておき、おもりが左右に動くとき、糸が釘に当たって振れ幅が狭くなる
  3. すると、おもりが釘を中心にしてより短い長さで揺れるようになります。

🔧 このとき、振り子の周期は「釘からおもりの中心までの長さ」によって決まります。

釘からおもりまでの長さで新たな周期を求める

例題で見てみましょう。


🔍 問題例
もとの糸の長さが80cmの振り子があり、途中の40cmのところに釘を打ちました。
釘以降で振れるようにしたとき、新しい周期は元の何倍になるでしょうか?


🧠 考え方

  • 元の周期:長さ80cm → 周期 ∝ √80
  • 新しい周期:長さ40cm → 周期 ∝ √40

📌 ポイント

  • 釘が振り子の支点になる
  • 周期を比で求めるときは、「√長さ」の比で考える
  • 実際の長さが与えられたら、√を使って周期を比較!

🧠【一問一答】○×クイズ(釘編)

  • Q1. 振り子の糸の途中に釘を打つと、振り子の周期は変わらない。→ ×
  • Q2. 釘の位置が高いほど、周期は短くなる。→
  • Q3. 釘の位置にかかわらず、振り子の重さが変われば周期は変わる。→ ×

まとめ|振り子の周期は「長さ」がカギ!図とイメージで理解しよう

振り子の問題は、一見むずかしく見えるかもしれませんが、ポイントをおさえればシンプルです。
中学受験では、ひっかけや応用問題も出やすい単元なので、以下のチェックポイントをしっかり整理しておきましょう。


✅【チェックリスト】入試でよく出る振り子のポイント

  • ✅ 振り子の周期に影響するのは「長さ」だけ
  • ✅ 重さやふり幅を変えても、周期は変わらない
  • ✅ 長さと周期の関係は、「√(ルート)」で表される
  • ✅ 4倍の長さ → 周期は2倍 / 9倍の長さ → 周期は3倍
  • ✅ 最も速いのは一番下の位置(B)
  • ✅ AとCは高さが同じで、振り子が一瞬止まる
  • ✅ 釘を打った場合は、「釘からおもりまで」が新しい長さ
  • ✅ 周期の比は √の比で考える!
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