使う前にやっておくべきこと
理科の勉強を始める前に計算はできるようにしておきたい。人体や植物、天体の名前といった知識は、基礎計算ができなくても勉強できる。しかし、どのみち計算問題にもとりくむことになるのだから、基礎計算は早めにすましておくほうがよい。
どうしても理科が気になるのなら、基礎計算をやりつつ理科の問題がどんなものなのか確認する程度でよい。本格的に理科をはじめるのは基礎計算をできるようにしてからだ。
その基礎計算とは次の4つだ。
- 四則演算
- 小数、分数の計算
- 比と割合
- 単位の変換
これらの学習方法についてはこちらの記事で述べている。
到達レベル
思考編まで理解できれば、難関校の過去問を理解できるくらいの力はつく。ただし、計算問題が少ないため計算編でさらに解法パターンを覚える必要がある。なので難関校を目指すのであれば知識思考編と計算編の2冊を学習することになる。塾に通っている人は、苦手な単元だけをやればいい。
使用期間
本書の「はじめに」でおすすめの使い方が提示してある。こんな内容だ。
- 使う時期:小6の夏休み以降
- 1日30分学習で1か月半で終了
塾に行っている人はこれでいいと思う。苦手な単元にしぼればもっとはやく終わるだろう。
しかし、僕は学習初期から使ったほうがいいと思っている。
魔法ワザは入試頻出の知識が上手くまとまってるだけでなく、知識が定着しやすい形式だ。
どんなにくわしく、きれいに知識が整理されている参考書でも、それをいくら見直したって身につかない。なぜなら思い出すという作業がないからだ。
中学受験以外でも何かの勉強に本気で取り組んだことのある人ならわかるだろう。問題を解かずに、きれいに整理されたまとめ知識だけを見ても、いざ問題を解くとなると解けない。何度も見直して時間もかけたにもかかわらず。そういう経験があるのではないだろうか?
勉強は、インプット(覚える)とアウトプット(思い出す、書き出す)の2つを組み合わせないといけない。どちらが欠けていても、かけた時間の割には知識が定着しない。大多数はインプットの段階で止まったままだ。
ここでストップしてしまっては本当の意味でインプットもできていない。知識を仕入れたらすぐに使わないといけない。思い出す作業をすることで、知識が徐々に定着してくる。
このアウトプットは正直しんどい。自分がどれほど何も覚えていないかを自覚することになるから。
しかし、そうやって自覚できるからこそ何をしなければならないのかが明確になる。
魔法ワザは、気の乗らないアウトプット(思い出し作業)がしやすい問題構成だ。本書を早い時期から使って基礎固めすることをおすすめする。
構成
知識問題と思考問題の2部構成
知識編は最低限覚えておく用語問題や計算問題からなる。思考編はさらにレベルの高い問題からなる。
解答は別冊ではない
問題ページの次のページに解答がある。個人的には別冊解答、あるいは問題のすぐ下に解答が載っているほうが使いやすい。本書を使って学習するときには、復習用のノートをつくることをおすすめする。
おすすめポイント
サイズが大きいため紙面に余裕がある(A4サイズ)
そのため文字が大きく間隔もあるため見やすい。これは何度も復習するということを考えるとかなり重要。文字がぎっしり詰まっていていると、たとえ1度学習した内容でも、どんなに簡単な内容でも問題を見ることがストレスだ。
あまり意識しないと思うが、目を凝らすのは案外疲れる。解法を覚えるのに集中すべきだから、目を凝らすのに疲れている場合ではない。
本書は行間が空いているので、そうした余計なストレスから解放してくれるので復習が苦にならない。
問題を解きつつ知識を整理できる
基礎知識を仕入れる、整理するという点では塾技100もおすすめ。しかし、問題形式になっていないため、テストで問題として出されたとき答えれない。
やはり、問題に答えられるようにするためには、問題形式で練習をしておく必要がある。一応、塾技にも問題は載っているがレベルが高くて基礎を定着させるのには向かない。
塾技は、その単元を勉強する前の準備体操と、わからない問題にぶつかったときの辞書として使う。
使い方
志望校が難関校ではなく受験まで時間のない人は本書と過去問でいいだろう。しかし、難関校を目指していて1年以上時間があるのなら、魔法ワザ知識思考編を単独で使うのではなく計算編とセットで使う。
(※理科だけに関していうと1年でもなんとか間に合うという意味。他教科がボロボロだと1年間の受験勉強で難関校合格はきびしい。本気で目指すのなら少なくとも2年は必要)
これらの使い方は計算編の記事をどうぞ。