予習シリーズ理科の勉強法|テキストだけでは実力がつかない理由と対策法

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予習シリーズの理科とは?|授業用テキストの特徴と限界

中学受験対策の定番教材である「予習シリーズ」は、多くの進学塾で使われている有名なテキストです。理科ももちろんシリーズの一部として構成されていますが、このテキストだけでは理科の得点力を身につけるには不十分です。なぜそう言えるのか、具体的に見ていきましょう。

塾で配られることがあるが、授業補助用

予習シリーズの理科テキストは、四谷大塚をはじめとする進学塾で使用されています。塾の授業の進行に沿って配られ、先生が解説する内容に対応したページを開いて使うところもあるでしょう。

このテキストには、図や写真も豊富で、理科が苦手な子でも興味を持てるように工夫されています。しかし、あくまで授業の補助教材であり、これだけを使って「自学自習で得点力を高める」ことはむずかしいです。

単元末の「要点チェック」だけでは問題量が足りない

各単元の終わりには「要点チェック」と呼ばれる確認問題がついています。これは知識の定着を図るための簡単なクイズのようなものです。
しかし、この「要点チェック」の問題数は少なく、入試レベルの演習にはまったく足りません。しかも、問題の難易度も比較的やさしめで、これだけを繰り返しても「入試で問われる出題パターン」には太刀打ちできません。

テキストを読むだけでは、得点力は身につかない

理科が得意になるためには、「読む」だけでなく「解く」ことが不可欠です。予習シリーズの理科テキストは、要点がコンパクトにまとめられていて読みやすい一方で、演習量が圧倒的に不足しています。

つまり、「テキストを読み返してもテストで点が取れない」と感じる人は少なくありません。実際、得点力を伸ばしたいなら、問題を自分の手でたくさん解く必要があるのです。

そのためには、この後ご紹介するような「演習問題集」や「補助教材」を組み合わせて使うことがとても重要になります。

本当に使うべき教材は?|理科力をつける3つのアイテム


演習問題集|出題パターンを網羅した必須問題集

予習シリーズに対応した『演習問題集』は、理科の実力をつけるうえで欠かせない教材です。各単元の内容に沿った問題が多数掲載されており、中学入試に必要な出題パターンを網羅しています。

とくに6年生用の演習問題集までやり切ることができれば、有名中学の合格ラインに届くだけの力がつきます。

ただし、デメリットとして「解説が詳しくない」という点があります。初めて見るタイプの問題や、難度の高い計算問題などは、演習問題集だけでは理解できない場合も多いです。

そこで次に紹介する補助教材の出番となります。

魔法ワザ理科シリーズ|基礎知識・計算・思考を整理

「魔法ワザ理科」シリーズは、知識の要点をすっきり整理してくれる非常に優れた教材です。

  • 『魔法ワザ理科 知識・思考問題』:各単元で出る重要ポイントをコンパクトにまとめ、思考力を問う問題へのアプローチもわかりやすく紹介。
  • 『魔法ワザ理科 計算問題』:電気やてこ、ばね、溶解度など、入試頻出の計算問題を、解き方の“型”から教えてくれる構成。

これらを演習問題集に入る前に読んでおけば、理解もスムーズになります。

中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・知識思考問題 (西村則康先生の本)
中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・計算問題

塾技100理科|中上級者向けの要点整理に最適

また、「塾技100 理科」もおすすめです。この教材は、中学受験で出題されやすい100のテーマを徹底解説してくれる参考書です。


中学入試 理科 塾技100 (中学入試 塾技)

内容は、ほぼ「魔法ワザ」と同じですが、ポイント整理のレイアウトが見やすいです。見開きの左ページにポイント整理、右ページに練習問題という構成です。

「魔法ワザ」とくらべると、練習問題は少し難しいです。また、量が少ないです。

まずは「塾技100」でポイントを整理して、「魔法ワザ」で基礎固めをする。そして、『演習問題集』に取り組むのがおすすめです。


この3つの教材をうまく組み合わせることで、予習シリーズの理科テキストだけでは身につかない「問題を読んで、必要な条件を見抜いて、解答する力」を確実に育てることができます。

演習問題集の正しい使い方|4つの構成と取り組み方

「予習シリーズ対応 演習問題集」は、理科の得点力を高めるための中心教材です。

しかし、やみくもに解いても効果は半減します。問題集の構成を理解し、目的に応じた使い方をすることが重要です。

ここでは、4つのセクションごとに、取り組むべきポイントを解説します。

まとめてみよう → 飛ばしてOK!

演習問題集の各単元の冒頭には「まとめてみよう」という穴埋め問題があります。ここでは、学習前の知識の有無を確認することが目的とされていますが、正直、無理にやる必要はありません。

この段階で知識がないまま空欄を埋めようとしても、理解は深まりませんし、逆に混乱することもあります。むしろ、『魔法ワザ』や『塾技100』で要点を先に仕入れてから問題に進む方が効率的です。

入試で穴埋め問題が出るとはいえ、それは知識が定着しているからこそ解ける問題です。先に知識をインプットしてからアウトプットしましょう。

基本問題 → 徹底反復で50%は取れる!

次に登場するのが「基本問題」です。これはテストで半分以上の点数を取るための土台になります。内容としては、知識問題や基本的な計算問題など、比較的取り組みやすい構成です。

しかし、ほとんどの受験生はこの基本問題すら中途半端にしか仕上げません。だからこそ、ここを徹底的に反復練習することが差をつける鍵になります。

まずは、『魔法ワザ』などで基礎を確認しながら進めていきましょう。

練習問題 → 出題パターンを増やして応用力を

「練習問題」は、基本よりも少し難度が上がり、応用力や思考力を求められる問題が並びます。入試でもよく見るようなパターンが多く含まれているため、しっかり取り組んでおきたいセクションです。

特に6年生用は量が多く、計算問題なども複雑になってきます。全てに取り組むのが厳しい場合は、重要な単元を選んで、少なくとも半分程度は確実に仕上げましょう

ただし、ここでつまずくこともあると思います。その場合は、演習問題集の解説だけで理解しようとせず、『魔法ワザ』『塾技100』で考え方や解法を補強することが大切です。

発展・応用・チャレンジ問題 → 余裕がある人向け

最後に「発展」「応用」「チャレンジ」などとラベルのついた問題があります。これらは標準的な練習問題よりも明らかに難しく、ハイレベル校向けの内容です。

もちろん、全て解けるようになれば理想的ですが、他の教科とのバランスや学習時間を考えると、無理に取り組む必要はありません

むしろ大切なのは、「練習問題レベルをしっかり解けるようにすること」。そのうえで、過去問を5年分分析し、自分の苦手な出題傾向を把握しながら、必要な部分を補強していきましょう。

テスト対策は演習中心で!|知識を使う練習を重視

理科のテストで点数を取るためには、「知っている」だけでは不十分です。「知っていることを使って問題を解く力」=得点力を鍛えることが、テスト対策のカギです。

テキストの読み返しでは得点につながらない

テスト前にやってしまいがちな勉強法のひとつが、「予習シリーズのテキストを読み返す」ことです。

たしかに、テキストには基本事項がまとまっていて、再確認には使えます。しかし、ただ読むだけでは、本番で得点できる力はつきません

テストの問題は、単なる知識の確認ではなく、「与えられた情報をどう使って答えを導くか」を問う問題が多く出されます。

つまり、理科のテストはアウトプットの場なのです。インプット(読む)ばかりに時間をかけても、点数は伸び悩みます。

演習問題を「自力で解く」力をつけよう

テストで必要なのは、「自分で考え、手を動かして、答えを導く力」です。その力を鍛えるには、演習問題集でのトレーニングが最も効果的です。

重要なのは、ただ答えを見て「わかったつもり」にならないこと。必ず手を動かして、1問ずつ丁寧に解き直すことが大切です。とくに間違えた問題は宝です。「どうして間違えたのか」「どの知識があいまいだったのか」を自分の言葉で説明できるようになるまで、繰り返し復習しましょう。

演習問題を反復する中で、「問題を見たときに、どんな解法が使えるか」「どの知識を引き出すべきか」といった思考の流れが自然に身につきます

過去問分析で苦手分野を把握し、重点復習

さらに、5年分の過去問を分析することも効果的な学習法です。特に「練習問題レベル」の問題に絞って、自分が間違えた単元や出題パターンをチェックしましょう。

・どの分野でミスが多いか?
・計算問題で時間がかかりすぎていないか?
・知識問題で引っかかっていないか?

こうした視点で振り返ることで、自分の弱点が明確になり、対策を集中させることができます

そして、弱点がわかったら、『魔法ワザ』『塾技100』でその単元を再確認 → 演習問題集で再演習というサイクルに戻ります。これを繰り返すことで、理科の実力は確実に伸びていきます。

まとめ|理科は「読む」より「解く」がカギ!

中学受験で理科の得点力を伸ばすためには、「読む学習」から「解く学習」へシフトすることが何より大切です。

予習シリーズの理科テキストは、あくまで授業の補助教材。単元末の「要点チェック」だけで実力がつくことはありません。知識の整理には役立ちますが、得点を取る力は演習を通してしか身につかないのです。

そのためには、以下の流れを意識しましょう。


理科勉強のおすすめ手順(まとめ)

  1. 『魔法ワザ理科』や『塾技100』で知識・計算方法を整理する
  2. 演習問題集の「基本問題」→「練習問題」と段階的に解いていく
  3. 間違えた問題は、理由を分析して解き直しを繰り返す
  4. 必要に応じて補助教材に戻って確認
  5. 過去問を使って、自分の弱点単元を把握&重点復習する

このような学習サイクルを習慣にすることで、テキストの知識が実践力に変わり、「得点できる理科力」が育っていきます

演習問題集の一つひとつの問題に丁寧に向き合い、「わかる」から「できる」へステップアップしていきましょう!

どうしても苦手な単元があるなら|個別指導や家庭教師も選択肢に

演習を重ねてもなかなか理解が進まない単元や、繰り返し間違えてしまう問題がある場合、一人で解決しようとするのは限界があることもあります。

とくに中学受験の理科では、知識だけでなく思考力・計算力・実験的理解など、複数の力が求められます。これを自力で身につけるのは、時間も手間もかかります。


自分のペースで学べる「個別指導」

塾の集団授業では聞きにくいことも、個別指導なら質問しやすく、自分の理解度にあわせて教えてもらえます。

・「計算問題が苦手」
・「力のつり合いがイメージできない」
・「なぜそうなるのか理由が知りたい」

といった悩みに、一対一で丁寧に向き合ってもらえるのが大きなメリットです。


自宅で効率的に学べる「家庭教師」

「通塾の時間を短縮したい」「リラックスした環境で学びたい」という方には、家庭教師もおすすめです。

家庭教師であれば、授業のたびに現在の理解度を確認しながら、必要な単元に絞って指導ができます。苦手単元のピンポイント指導から、模試対策、過去問演習の解説まで、柔軟な対応が可能です。


親御さんの負担を減らし、確実な学習のサポートに

理科に限らず、受験勉強は親子ともに負担がかかります。個別指導や家庭教師を取り入れることで、保護者のかたが学習の全てを管理しなくてもよくなり、安心して任せることができるという利点もあります。

「うちの子にはどんな勉強スタイルが合っているのか」「今の学習方法でいいのか不安」という方は、一度、個別指導や家庭教師の体験をしてみるのもよいでしょう。

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