単子葉類と双子葉類とは?|はじめに知っておこう!
植物にはたくさんの種類がありますが、「葉や茎のつくり」で分類することができます。理科の授業では、「単子葉類(たんしようるい)」と「双子葉類(そうしようるい)」という2つのグループに分けて学びます。
単子葉類と双子葉類の子葉
植物の分類には、いろいろあります。この記事では単子葉類と双子葉類の根・茎・葉の違いについて解説します。
まずは、単子葉類、双子葉類の「子葉の枚数」と「代表的な植物」を覚えましょう!
- 単子葉類(たんしようるい):子葉が1枚
植物の例: - 双子葉類(そうしようるい):子葉が2枚
植物の例:
「単」「双」という漢字から、子葉の枚数はすぐに覚えられますね。
植物の体を3つに大別|根・茎・葉
双子葉類と単子葉類では、根・茎・葉のつくりにそれぞれの特徴があります。
- 根の形(主根があるか、ひげ根か)
- 茎の中にある「維管束(いかんそく)」の並び方
- 葉っぱの葉脈(ようみゃく)の形
これらの特徴について、これから解説していきます。
単子葉類の特徴|根・茎・葉をくわしく見よう
単子葉類は、子葉が1枚の植物のグループです。根・茎・葉のつくりに、双子葉類とはちがう特徴があります。それぞれの部分をくわしく見ていきましょう。
単子葉類の根|ひげ根が特徴
単子葉類の植物は、ひげ根という細い根がたくさん生えます。
中心になる太い根(主根)はなく、細い根が同じような太さで広がっているのが特徴です。
単子葉類の茎|維管束がバラバラに分布
茎の中には「維管束(いかんそく)」という、水や養分を運ぶ管が通っています。単子葉類では、この維管束が茎の中にバラバラに散らばっているのが特徴です。
単子葉類の葉|平行な葉脈(平行脈)
単子葉類の葉には、平行脈(へいこうみゃく)と呼ばれる、まっすぐ平行にのびた線(葉脈)があるのが特徴です。
この葉脈の部分には、実は維管束が通っていて、水や養分が運ばれているんです。くわしくは後で解説します。
双子葉類の特徴|根・茎・葉の見分け方
双子葉類(そうしようるい)は、子葉が2枚の植物のグループです。単子葉類とくらべて、根・茎・葉のつくりにちがいがあるので、それぞれのポイントを見ていきましょう。
双子葉類の根|主根と側根がある
双子葉類の植物は、太くてまっすぐな「主根(しゅこん)」と、そこから枝のように伸びる「側根(そっこん)」をもっています。
にんじんやダイコンを思い浮かべてください。太い1本の根がまっすぐ下にのびていますよね?それが主根です。このように、太い根が中心にあって、そのまわりに細い根が広がっているのが双子葉類の特徴です。
双子葉類の茎|維管束が輪のように並ぶ
双子葉類の茎を輪切りにして顕微鏡で見てみると、維管束(いかんそく)が茎の外側にそって、輪のように並んでいるのがわかります。
単子葉類では維管束がバラバラに散らばっていましたが、双子葉類ではきちんと整った円のように並ぶのが特徴です。
双子葉類の葉|網の目状の葉脈(網状脈)
双子葉類の葉には、網の目のように入り組んだ葉脈があります。これを「網状脈(もうじょうみゃく)」といいます。アサガオやヒマワリの葉をよく見ると、中心から左右に枝分かれして、細かい筋が広がっています。
維管束・道管・師管とは?|植物の中の“運び屋さん”
植物は、自分で動くことはできません。でも、根から吸い上げた水や、葉でつくった養分を体中に運ぶしくみを持っています。それが「維管束(いかんそく)」です。
維管束は、植物の体を支える「血管」のようなもので、道管(どうかん)と師管(しかん)という2つの管からできています。
維管束とは?|道管と師管のセット
維管束(いかんそく)とは、植物の中に通っている水や養分を運ぶための管の集まりです。
- 道管(どうかん):水を運ぶ管
- 師管(しかん):葉で作られた養分を運ぶ管
この2つがセットになっていて、根・茎・葉の中を通って全身をつないでいます。
道管の役わり|水を運ぶ
道管は、根から吸い上げた水やミネラルを、葉のほうへ運ぶ役目をしています。
- 水は根から吸収され、道管を通って茎や葉へ送られます。
- まるで“ストロー”のように、水を吸い上げているイメージです。
師管の役わり|養分を運ぶ
師管は、葉でつくられた栄養分(とくにデンプンなど)を、根や花など全身に運ぶ役目をします。
- 植物は光合成によって葉で栄養をつくります。
- その栄養を、師管が必要な場所に運んでいくのです。
葉の葉脈も維管束!|葉の表側が道管
葉っぱの表面に見える葉脈(ようみゃく)は、実は中に維管束が通っています。
- 表側(上側)にあるのが道管(=水を運ぶ)
- 裏側(下側)にあるのが師管(=養分を運ぶ)
理科のテストでは「葉の表側には道管がある」と問われることもあるので、覚えておきましょう。茎の維管束と葉がつながっていることを図のようにイメージしましょう。覚えやすくなりますよ!
単子葉類と双子葉類のちがいを一覧表でおさらい
ここまでで、単子葉類と双子葉類の「根・茎・葉」の特徴を学びました。最後に、ちがいを1つの表にまとめて、ポイントを整理しておきます。
根・茎・葉の違いまとめ表
特徴 | 単子葉類 | 双子葉類 |
---|---|---|
子葉の数 | 1枚 | 2枚 |
根のつくり | ひげ根(細い根が多数) | 主根と側根(太い根と枝分かれ) |
茎のつくり | 維管束がバラバラに分布 | 維管束が輪のように並ぶ |
葉のつくり | 平行脈(まっすぐのびる葉脈) | 網状脈(網の目のような葉脈) |
代表植物 | イネ、ユリ、トウモロコシなど | アサガオ、ヒマワリ、ダイズなど |
※ テストでは、「根・茎・葉の特徴+代表植物」をセットで覚えると得点につながります!
覚え方のコツ
「どっちが単子葉類?双子葉類?」と迷ったときは、次のような覚え方をしてみましょう。
- まずは、単子葉類または双子葉類のどちらか一方のみ覚える
- 道管は内側で、水の通り道
- 葉脈の表側が道管(茎とつながっているから)