使う前に最低限やるべきこと
問題のレベル
本書の内容を習得できれば、理科が得意でない人でも難関校で満点は取れなくても合格点は取れるようになる。
そのためには、本書を理解できるくらいの基礎知識はあらかじめ準備しておく必要がある。その基礎知識とは次の4つだ。
- 四則演算
- 小数、分数の計算
- 比と割合
- 単位の変換
これらができないのに本書で学習しても理解できない。すぐに挫折する。だから必ずできるようしておくこと。はっきり言って全然むずかしくない。
中学受験をしない子でも小学校で教わることばかりだ。薄い計算ドリルでさっさと終わらせるといい。算数も理科も計算ができないと話にならない。
難関校に合格したいのなら、どんなにおそくても5年生の夏休み前に終わらせないといけない。
これらの学習方法についてはこちらの記事で述べている。
到達レベル
先ほども述べたが、本書の問題が自力で解けるようになれば、難関校でも合格点は十分取れるようになる。もちろん、過去問研究3~5年分もやったうえで。
ちなみに私が見た入試問題はラ・サール10年分と筑駒と開成をそれぞれ1年分。これから他の入試問題も見て検証していくつもりだが、たぶん魔法ワザで合格点をとるだけなら十分だと思う。
難関校レベルなら理科で満点を目指す必要はない。おそらく無理だろう。他教科の勉強もしないといけないので理科の勉強だけをやるわけにはいかない。だから過去問や他の問題集で解説を読んでも理解できない問題はほっとけばいい。
構成
計算問題に特化
計算問題といっても、四則演算や単位の変換といった単純なものではない。たしかに最終的に答えを出す際には、そうした単純計算をすることになる。しかし、その前に文章やグラフを読み取って式を立てる作業が必要になる。本書は、そのような問題の対処できるなることに特化している。
A4サイズ
サイズが大きいため紙面に余裕がある。そのため文字が大きく間隔もあるため見やすい。これは何度も復習するということを考えるとかなり重要。
文字がぎっしり詰まっていていると、たとえ1度学習した内容でも、どんなに簡単な内容でも問題を見ることがストレスだ。
あまり意識しないと思うが、目を凝らすのは案外疲れる。解法を覚えるのに集中すべきだから、目を凝らすのに疲れている場合ではない。
本書は行間が空いているので、そうした余計なストレスから解放してくれるので復習が苦にならない。
テーマごとに例題と練習問題が合わせて4~5問
見開き左ページに例題と解答が載っている。そして右ページに練習問題がある。合わせて4~5問。解法パターンを仕入れるにはこれくらいで十分。
やみくもに似たような問題をたくさん解いてどれも復習が中途半端になるより、限られた問題を徹底的にやりこむほうがいい。その後、過去問研究と復習をすことで知識が定着してくる。
また、見たことないパターンはその都度覚えていけばいい。
解答は別冊ではない
問題ページの次のページに解答がある。個人的には別冊解答、あるいは問題のすぐ下に解答が載っているほうが使いやすい。本書を使って学習するときには、復習用のノートをつくることをおすすめする。くわしくは後で記す。
おすすめポイント
上記の文字が大きく行間にゆとりがあるというおすすめポイントに加えて、さらにあと2つ述べる。
奇問難問を省いている
難問奇問がないことは、受験範囲を何度も復習する上で重要。理科の範囲は広い。しかも難問奇問は理解するのにも、その後復習するのにも時間がかかる。
全範囲の基礎から難問までまんべんなく対処しようとなると、他教科の勉強をする時間がなくなる。だから難問奇問は捨てて合格点を取ることに集中する。
本書はそうした目的でつくられているため、わざわざ自分で問題を選別する手間が省ける。
真似しやすい
問題集・参考書の中には解説を読んで理屈はわかってもも、いざ問題を解くとなると非常にめんどくさいものがある。問題のチョイスはいいのだが、肝心な解き方をあまり教えてくれなかったりする。とくに物理分野。
中学受験の問題集・参考書は、高校受験や大学受験のもの比べてレベルが幅広く揃っていない。極端に簡単なもの、難しいものはいくつもあるが中間レベルのものが極めて少ないという印象がある。
中学受験の講師をやり始めたころは、塾で使う教材があまりにもわからなすぎて大型書店で実際手にとってみたりしていた。なぜこれほど需要に応えないのだろうか?けっして少なくないはずなのに。
そんな中、魔法ワザの解き方は断然わかりやすい。理屈をごちゃごちゃ言ったり、逆にわけのわからない計算を急に提示することはない。「この場合はこんな計算をすればいい」と紹介していて実際真似しやすい。
使い方
知識編・塾技で基礎知識を仕入れる
まずは知識編や塾技で基礎知識を仕入れる。計算編をはじめから使ってもできないことはないが、その分野の全体的な知識を知っていたほうが、何のための計算をしているのかがわからいやすい。そ
のため勉強がはかどる。また、理科は知識問題も出るのでその対策もする必要があるのでどのみち知識の勉強はやることになる。
塾に通っていてメインのテキストを持っている人は、魔法ワザでわからないところだけをやればいい。
本書で計算問題の解法パターンを覚える
ある程度理科の用語を仕入れたら、本書を使って計算問題の解法パターンを覚える。問題を読んだらすぐに解答を見て解き方を確認する。そして自力で解けるようになるまで何度も復習する。解答を読んでも理解できない問題はひとまずとばして、理解できるものから覚えていく。
知識を仕入れただけで、問題がすぐ解けるようになるわけではない。だから自力で解こうとしても解けない。はっきり言って時間の無駄なのでさっさと答えを見るべき。
それだと自分で考える力はつかないと思う人もいるかもしれないが、そんなことはない。むずかしめの問題、いくつかの典型問題を組み合わせたものがほとんど。
だから解法パターンを覚える努力をしていれば考える力も自然とついてくる。中にはそれでも対応できないものもあるが、そういうものはできなくても合格点は取れる。
理科に限らず算数もそうなのだが、できない子は考える力以前に覚えておくべき基礎知識・解法パターンが圧倒的に足りていない。これらを習得するには何度も復習が必要になる。
一度学習しただけで覚えられるのなら入試で差はつかない。そこを周りがサボる中がんばって復習するから一つ飛びぬけることができる。