ニュートン算のポンプ問題の特徴
ニュートン算のポンプ問題は、中学受験で頻出の重要単元です。大きな特徴は、池や水槽など、一定量の水がたまった容器を舞台に「増える水」と「減る水」の両方を計算することにあります。
具体的には、まず水槽に「毎分○リットル」といった一定の割合で水が流れ込む(流入)現象が起こります。一方で、ポンプが「毎分○リットル」の水をくみ出す(排出)動きも同時に進みます。この流入と排出が同時に行われる点が、仕事算とは大きく異なるニュートン算の特徴です。
問題では、こうした状況の中で「水槽が空になるまでにかかる時間」や「ポンプ1台あたりがくみ出す水の量」などを求めます。
ポンプ問題を解くコツ
ニュートン算のポンプ問題を解くときのポイントは次の2点です。
- 「ポンプ1台がくみだす水」または「流入してくる水」を①とおく
- 線分図を描く
以下、例題で解き方を確認していきましょう!
ポンプのニュートン算の例題
問題1:「ポンプ1台の能力」と「2台使ったときの時間」を求める
📝 問題
毎分6Lの割合で水が流れ込む水槽に、360Lの水が入っている。
この水を1台のポンプでくみ出すと、30分で空になる。
(1)1台のポンプが1分間にくみ出す水の量はいくらか?
(2)ポンプを2台使うと、水槽は何分で空になるか?
✅ 解説(1)

まず、ポンプ1台が1分間にくみ出す水を①とおきます。
すると、30分間でくみ出す水は、①×30となります。
水槽の中にはじめからある水=360L。そして、毎分6Lずつ新たに水が流れ込むので、30分間で6L × 30分 = 180Lが追加されます。

つまり、
①×30=360L(初めの水)+180L(流れ込む水)
という式ができます。
①×30=540
①=540 ÷ 30 = 18L/分
よって、ポンプ1台のくみ出す力は毎分18Lです。
✅ 解説(2)

ポンプを2台にすると、1分間にくみ出す水は
①×2台=18L × 2台 = 36L/分
になります。
ここで、水槽が空になるまでの時間を□分とすると、
- ポンプがくみだした水=36×□
- 流れ込んでくる水=6×□
となります。これを線分図にします。

36×□-6×□=360
(36-6)×□=360
30×□=360
□=360÷30=12分
よって、水槽が空になるまでの時間は12分です。
問題2:ポンプがくみ出す水の量がちがう場合
📝 問題
一定の割合で水が入ってくる水槽に、水がいくらかたまっている。
毎分 10L の割合で水をくみ出すと 60分 で空になる。
毎分 16L の割合で水をくみ出すと 36分 で空になる。
このとき、毎分何リットルの割合で水が入ってくるか求めよ。
✅ 解説
・一定の割合で水槽に入ってくる水を①とする。
・10×60-16×36=①×60-①×36
毎分1Lの割合で水が湧き出している。
おすすめ教材
ポンプ問題を練習するなら、以下のような教材がおすすめです。
✅ 「予習シリーズ 5年下」四谷大塚
ニュートン算の基本問題が豊富。それでも足りなければ「演習問題集」を追加するといいです。
✅ 「塾技100 算数」文英堂
予習シリーズが難しいと思ったらおすすめ。特殊算をはじめ受験算数の典型パターンを効率よく覚えられます。
✅ 「魔法ワザ 算数 文章問題」
これも、予習シリーズが難しいと思ったらおすすめ。図解がわかりやすい。
問題集を選ぶときのポイントは
- 問題数が多すぎず、繰り返し解けるもの
- 解説がていねいで、図や式が載っているもの
最初から難しい問題に手を出さず、基本問題を確実に解けるようになることが最優先です。
個別指導・家庭教師の活用もおすすめ
もし
- ニュートン算がどうしても苦手
- 途中式の書き方や図の描き方がわからない
- 難関校志望で時間短縮を狙いたい
という場合は、個別指導や家庭教師を活用するのも非常に効果的です。
ニュートン算は「解き方の型」を身につければ必ず得点源になりますが、独学だとクセが残ってしまうこともあります。
先生にリアルタイムで
- 計算過程を見てもらう
- 図や表の書き方を習う
- 自分に合った解法を提案してもらう
こうした指導を受けると、短期間で飛躍的に理解が深まることも少なくありません。
特に中学受験では、苦手分野の克服が合否を大きく左右します。ニュートン算に不安があるなら、早めにプロの力を借りるのも一つの手です。