中学受験を考えるとき、「わからないところをピンポイントで教えてもらえるから、個別指導のほうが良さそうだ」と思う人も多いでしょう。
たしかに個別指導には、弱点を効率よく克服できるなど大きなメリットがあります。しかし、中学受験という特殊な世界では、個別指導だけに頼ることには見逃せないデメリットも潜んでいます。
この記事では、個別指導のメリットとともに、個別指導だけを選ぶリスクについて詳しく解説します。
個別指導だけで中学受験に挑むメリットとは
弱点補強に最適|苦手単元を重点的に学べる
中学受験を個別指導だけで進める最大のメリットは、やはり弱点補強に最適だという点です。集団授業では全体のペースに合わせる必要がありますが、個別指導なら苦手な単元を重点的に学ぶことができます。わからない部分をその場で質問できるため、理解を深めやすいのも大きな魅力です。さらに、先生が子どもの表情や反応を細かく見ながら進めてくれるので、理解度に合わせたきめ細かい指導が受けられます。
スケジュール調整がしやすい|忙しい家庭にも対応可能
また、スケジュール調整がしやすいのも個別指導の大きな利点です。習い事や家族の予定に合わせて授業を組めるため、忙しい家庭でも無理なく通塾が可能です。子どもが疲れているときや体調が優れないときも柔軟に対応してもらえるのは、保護者にとって安心できるポイントです。このように個別指導には、効率的で柔軟に学べる環境が整っているというメリットがあります。
それでも中学受験で「個別指導だけ」をおすすめしない理由
理由① 競争相手がいないとモチベーションが維持できない
個別指導は、子どものペースに合わせてじっくり指導してもらえる点では非常に魅力的です。しかし、中学受験という厳しい競争の場においては、競争相手がいない環境が逆にマイナスになることがあります。周囲と自分を比較する機会が少ないため、自分が今どの位置にいるのかが見えにくくなってしまうのです。
また、集団の中で感じる「負けたくない」という気持ちは、子どもにとって大きな原動力になります。個別指導だけでは、その刺激が得られにくいため、勉強のスピードや量が思ったほど伸びないことも少なくありません。受験勉強は長期戦です。モチベーションを保ち続けるためには、切磋琢磨するライバルの存在が意外と大きいのです。個別指導だけで進める場合、この点をしっかり補う工夫が必要です。
理由② 自分の学力レベルが正確にわからない
もうひとつの大きなデメリットは、自分の学力レベルを客観的に把握しにくいという点です。個別指導では先生と1対1で進むため、授業内で「できている」と思っていても、実際には同学年のライバルと比べてどの位置にいるのかがわかりません。特に中学受験は、志望校によって必要な学力レベルが大きく異なるため、自分が合格圏内に入っているのか、それともまだ届かないのかを知ることが非常に重要です。
集団授業や定期的な模試に参加すると、全国や地域の中での順位や偏差値が分かり、自分の立ち位置がはっきりします。個別指導だけでは、こうした客観的なデータを得にくく、合格可能性の判断が難しくなるのです。模試や集団授業で得られる情報は、志望校の選び方や今後の学習計画を立てる上で非常に大切です。個別指導を選ぶ場合でも、模試を受けるなど、定期的に客観的な学力を把握することが欠かせません。
難関校でなければ「個別指導だけ」でも可能な場合も
中学受験といっても、すべての学校が難関校というわけではありません。特に、予習シリーズ5年生レベル以下の問題が中心の学校であれば、個別指導だけで合格を目指せる場合もあります。こうした学校では、複雑な応用問題よりも、基本をしっかり身につけているかを問われることが多いのです。
また、小学校レベルの内容に少しプラスした「+α」の出題傾向がある学校もあります。たとえば、教科書内容を深掘りする程度の問題や、文章を丁寧に読めば解ける問題が中心の学校では、個別指導で基礎固めを徹底すれば十分対応できることが少なくありません。志望校の出題傾向をよく調べ、無理に集団塾へ通わずとも合格可能なケースもあることを知っておきたいところです。
中学受験を個別指導だけで進める際の注意点
中学受験を個別指導だけで進める場合、いくつか注意すべきポイントがあります。まず大切なのは、定期的に模試を受験し、自分の立ち位置を客観的に把握することです。模試の結果をもとに、今の学力で志望校に届くかどうかを冷静に分析することが欠かせません。
また、志望校ごとの出題傾向や入試情報を自分で集めることも重要です。個別指導だけでは情報が限られることが多いため、保護者が学校説明会や資料を活用して情報収集を行いましょう。さらに、保護者自身が進捗管理を徹底し、学習計画がズレていないかを常に確認することが、個別指導だけで合格を目指す上での大きな鍵となります。
まとめ|個別指導だけで中学受験に挑む前に必ず考えてほしいこと
個別指導には多くのメリットがありますが、中学受験ではデメリットも無視できません。志望校のレベルやお子さんの性格を考慮し、模試や情報収集を活用しながら進めることが大切です。もし個別指導塾や家庭教師を検討している方は、まず無料体験や資料請求をして比較するのがおすすめです。
