【中学受験】4年生の先取り学習:向き不向きを見極めるポイント

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中学受験の4年生の学習が比較的簡単なので、5年生の内容を先取りするかどうか迷っていませんか?

先取り学習が本当に効果的かどうかは、その子どもの学習習慣や姿勢に大きく左右されます。本記事では、先取り学習の利点とリスク、そして適した子どもの特徴について解説します。

4年生での先取り学習は、戦略として悪くはないが・・・

中学受験の勉強内容は学年が進むにつれて難易度が上がります。特に5年生の算数は、入試で必要な解法や高度な考え方を学ぶため、非常に重要な時期です。そのため、4年生のうちに5年生の内容に触れることで、余裕をもって勉強を進められるのではないかと考える家庭も多いでしょう。

確かに、4年生の内容は基礎的で比較的簡単なことが多いです。だからこそ、この時期に先取り学習を進めることは、戦略的に見れば悪くありません。しかし、全ての子どもが先取り学習に向いているわけではないのです。

5年生の内容の難しさ

5年生では算数の学習内容が特に難しくなります。特殊算をはじめとした、受験算数独特の覚えるべき解法が増え、以下のような力が求められます。

  • 計算を速く正確に行う力
  • 線分図、面積図、ダイヤグラムなどを用いて問題を整理する力
  • 複雑な条件を読み解き、解法パターンを見つける力

4年生で余裕があるうちに、これらの内容を学ぶことは確かに有効です。しかし、それを成功させるためには、学ぶ本人に後述する習慣が備わっていることが必要です。

先取り学習をするべきでない場合

先取り学習をしてもうまくいかない例もあります。僕が見てきたのは次の2つのタイプです。

  1. 勉強習慣が身についていないタイプ
  2. 復習があと一歩のタイプ

勉強習慣が身についていないタイプ

授業中に集中できなかったり、宿題を適当に終わらせたりする子どもは、先取り学習に向きません。このタイプは次のような特徴があります。

  • 授業態度が悪い(おしゃべりやノートを取らないなど)
  • 計算練習や漢字練習をしない
  • 授業で解いた問題の復習をしない

こういった子どもが先取り学習を始めても、勉強の成果はほとんど得られません。まずは勉強に臨む姿勢や習慣を改善することが必要です。

復習があと一歩のタイプ

計算力や作図力があり、学習内容を一時的には覚えられるものの、復習を怠りがちな子どももいます。このタイプは、最近学んだ内容には強いものの、過去に習った内容を忘れてしまうことが多いのが特徴です。

復習を継続して行う習慣がないため、学習した知識やスキルが定着せず、結果的に先取り学習が身を結ばないことがあります。

このような場合、先取り学習を効果的に進めるためには、復習の計画を立てることが非常に重要です。例えば、授業や家庭学習のあとに「1週間後」「1か月後」といったタイミングで復習を取り入れることで、忘却を防ぎ、知識を長期記憶に結びつけることができます。

ただし、自力で計画を立てるのが難しい場合もあるでしょう。

その場合、復習計画を立ててくれる個別指導塾や家庭教師の利用を検討するのも一つの方法です。特に、復習の重要性を理解し、具体的な計画を提案してくれる指導者がいる環境は、学力の定着に大きく役立ちます。

指導者が定期的に復習内容を確認したり、目標を共有したりすることで、子どもの復習習慣が身につく可能性が高まります。

こうした外部のサポートを活用することで、「やり方がわからない」「何を復習すればいいかわからない」といった行き詰まりを解消でき、先取り学習の効果を最大化することができるでしょう。

先取り学習をしても良い人の条件

では、どのような子どもが先取り学習に向いているのでしょうか。

以下の条件を満たしていることが目安となります。

  • 小数や分数を含めた四則演算がスラスラできる
  • 単位変換が正確にできる
  • 毎日5~15分間、計算練習をしている
  • 毎日5~15分間、漢字やことわざの練習をしている
  • 線分図や面積図などの作図が正確にできる
  • 解けなかった問題をノートにまとめて復習している

条件が必要な理由

計算力の重要性

算数において計算力は基礎中の基礎です。問題を解く際に計算でつまずくと、肝心の解法パターンを学ぶ余裕がなくなります。暗算が苦手でも構いませんが、筆算でスムーズに計算を終わらせることが大切です。

作図の重要性

受験算数の文章題を解く際、問題を整理するための作図は欠かせません。4年生では作図せずに解ける問題も多いですが、5年生になると作図が必要な問題が増えます。手を動かす習慣をつけておかないと、5年生での学習が難しくなります。

語彙力の重要性

国語においても、漢字やことわざ、慣用句の知識がないと文章の意味を正しく理解できません。語彙力の不足は読解力の不足につながり、国語の成績に直結します。

【まとめ】4年生で先取り学習を成功させるために

4年生で5年生の内容を先取りすることは、戦略的にはなくはないです。しかし、それが成功するかどうかは、学習者本人の習慣や姿勢にかかっています。

先取り学習を始める前に、次の点をチェックしてみてください。

  • 毎日コツコツ勉強する習慣があるか
  • 復習を繰り返しているか
  • 手を動かして問題を整理する作業を苦にしないか

これらをクリアしている場合、先取り学習は中学受験を有利に進める手助けとなるでしょう。

しかし、基礎が不十分な状態で先取り学習をしても成果は上がりません。まずは基礎固めを優先し、着実に力をつけていきましょう。

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