中学受験生に向けて、電熱線の太さと抵抗の関係、長さと抵抗の関係について説明する。
本記事は中学受験に特化している。中学生以上の知識があると、まどろっこしく感じられるだろう。
中学受験生でも、中学生の知識で覚えてもいいと思う。人によっては、そのほうがすっきりしていて理解しやすいかもしれない。
しかし、中学生の知識はわかりにくい、覚えにくいという人もいると思う。そういう人たちのために本記事を書いた。
また、「中学受験用の解説はわかりにくいが、子供に合わせてその解説を理解したい」という保護者の参考にもなるだろう。
この記事では豆電球の合成抵抗とくらべて解説する。
参考書、問題集によってはトンネルの絵で解説しているものある。この記事の説明がわかりにくかったら、そうした問題集を見るといいだろう。
逆に、問題集の説明ではわからなかったけれども、この記事で理解できるようになるかもしれない。
合成抵抗
まずは合成抵抗について説明する。
合成抵抗とは、複数の抵抗を1つの抵抗と見なすことだ。直列つなぎと並列つなぎで求め方が異なる。
これが電熱線の太さ、長さ、抵抗の関係を理解するための前提知識となる。
直列つなぎ
豆電球1個の抵抗をRとする。
豆電球が直列に2個あるならば、合成抵抗は2R(=R+R)となる。
直列に3個あるならば、合成抵抗は3R(=R+R)となる。
このように、直列つなぎの豆電球の数が2倍、3倍、・・・になると、合成抵抗も2倍、3倍、・・・になる。
つまり比例の関係になる。
並列つなぎ
豆電球1個の抵抗をRとする。
豆電球が並列に2個あるならば、合成抵抗R(全)は次のように求める。このように、並列つなぎの豆電球の数が2倍、3倍、・・・になると、合成抵抗は1/2、1/3、・・・になる。
つまり反比例の関係になる。
抵抗は長さに比例する
合成抵抗の確認ができたところで本題に入る。
抵抗の大きさが1の電熱線があるとする。この電熱線の長さを2倍、3倍、・・・にすると、抵抗の大きさも2倍、3倍、・・・になる。
さきほどの直列つなぎの豆電球とくらべるとわかりやすい。
抵抗は断面積(太さ)に反比例する
抵抗の大きさが1の電熱線があるとする。この電熱線の断面積を2倍、3倍、・・・すると、抵抗の大きさは1/2、1/3、・・・となる。
さきほどの並列つなぎの豆電球とくらべるとわかりやすい。
太さが3倍、長さが2倍になると抵抗は2/3倍になる
それでは、電熱線の太さを3倍、長さを2倍にすると、抵抗の大きさはどうなるのか?
次のように求める。
太さが3倍になると抵抗は1/3になる。
長さが2倍になると抵抗は2倍になる。
まとめると、抵抗は1/3×2倍になる。
抵抗が大きいほど電流は小さい
最後に、電熱線に流れる電流について説明する。
抵抗とは電流の流れにくさのことだ。抵抗が大きければ電流は小さくなる。逆に、抵抗が小さければ電流は大きくなる。