受験算数の問題をはじめて解いたとき絶望する子は多いのではないだろうか?
「さっぱりわからない。こんな問題解けるようになる気がしない」
本気で受験勉強をやろうと考えている子ほどそう思うであろう。大人から見ても受験算数はむずかしい。小学生が気圧されるのも無理もない。
それでも挑戦するという人にアドバイスをしたい。それは受験算数という壁を乗り越えるための基礎体力を身につけることだ。その基礎体力とは計算力だ。
計算力をつける
計算力を次の5つに分類してみた。それぞれについて解説していく。どれも受験算数でつまずきたくないなら、習得すべき必須スキルだ。たかが計算とナメてかかると、いつまでたっても算数の力はつかない。
四則演算
まずは四則演算。すなわち、足し算、引き算、かけ算、わり算だ。暗算はできなくてもいい。そのかわり、答えが出るまで手を止めずに書き続けること。まずは整数の計算だけでいいから、考えなくても手がスラスラ動くくらい練習する。
小数・分数の計算
整数の四則演算ができうようになったら、小数・分数の計算も練習する。
小数・分数の意味は理解できなくてもいい。これらの意味を理解するのは、子供からすると案外むずかしい。計算ができるようになった後で理解できてくる。
小数・分数の意味が分からなくても計算だけはできる。
「しっかり理解してから計算の練習をしよう」なんて考えていたら、計算ができないどころか理解さえできないままだ。
このあと勉強することになる受験算数は、意味の分からないことだらけだ。「理解できてから計算てからする、解法を覚える」なんて言っていたら、いつまでたってもレベルが上がらない。
「理解できないならとりあえず放っておき、できることからやる」ことが受験勉強のコツだ。
記号・文字のある計算
小数・分数ができていなくても、整数のみの四則演算をマスターしているなら、記号・文字のある計算に入ってもいい。
記号・文字とは、〇や▢、x,yなどだ。
「〇+5=10」や「▢÷3=6」などはすぐにできるだろう。
これらだけでなく「2×{3+4×(▢+5)}=6」などもできるようにしておこう。
比の計算
比の計算をするにあたって文章題に少し触れることになると思う。しかし国語力がなくても大丈夫だろう。たぶん連比までなら習得できるだろう。
比を用いた計算は、特珠算や図形の問題を解くときにも重要になる。簡単な計算くらいはできるようにしておこう。
単位の変換
1000g=1kg, 100cm=1m, 1000mL=1Lなど最低限の知識を覚えることは当然だが、さらに5g=0.005kgのような計算も考え込まずにできるようになる必要がある。
暗算はできなくてもいい。考え込まない。答えが出るまで書き続ける。
なぜ前もって必要なのか?
上記の計算を前もって習得すべき理由は、塾の授業や参考書の解答が、これらの計算ができることが前提で解説されるから。
いちいち計算方法から説明していては先に進まない。
受験算数の解き方を理解して、覚えることに集中しないといけないのに、計算ができていないと解法パターンを覚えることに集中できない。
本格的な勉強の入り口でつまずかずにスムーズに勉強を進めていけるように、計算力は前もって身につけておくべき。
解き方を覚えるということに、違和感を感じる人がいるかもしれない。
それについては別記事で述べる。
国語力(読解力)がなくても取り組める
算数を勉強する上で必要な力は2つある。計算力と国語力(読解力)だ。
国語力がないと、算数の成績の伸びは頭打ちになる。だから算数ができるようになりたければ国語力は必須だ。
しかし、今は受験算数を始める前の話をしている。上記の計算力を習得するのには、国語力がなくても取り組むことができる。
まずはやれることから確実に積み上げていけばいい。